チーズフォンデュ、その食材の発祥と歴史を辿る
チーズフォンデュは、チーズを白ワインなどで煮込んだ家庭料理であり、スイスを中心にフランス・イタリアにまたがるアルプス山岳部で最も代表的なフォンデュです。
その誕生は19世紀に遡り、山岳の農民たちが冬の時期に硬くなったパンを柔らかくして食べるために考案した調理法とされています。
今回は、チーズフォンデュの魅力と歴史を探ってみましょう。
チーズフォンデュの発祥と歴史
チーズフォンデュはスイス料理であり、アルプス西部がその発祥の地です。
古代ギリシャの詩人ホメロスの叙事詩にも「チーズとお酒を混ぜ溶かした料理」が登場しており、そのルーツは古代ギリシャにまで遡ります。
しかし、正式にフォンデュと呼ばれ始めたのは19世紀以降であり、山岳の農民たちが冬の保存食として考案した調理法が現代のチーズフォンデュにつながっています。
彼らはチーズを鍋で溶かし、パンを串に刺してつけて楽しんでいました。
20世紀に入ると、チーズフォンデュは観光客にも人気が広がり、スイス国内外で愛される料理となりました。
さまざまなチーズを使用したバリエーションが登場し、現在では世界中で楽しまれています。
チーズフォンデュは、家族や友人と一緒に楽しむことができる、温かくて心地よい料理です。
発祥がどこか?という話しになると決まっていろいろな説が出てくるもんです。
チーズフォンデュもスイス説とフランス説などがありますが、スイスでは、牧夫が山で過ごす間にチーズを溶かして食べるという伝統が昔からあったようです。
材料と調理法
チーズフォンデュは、スイスをはじめ、フランス・イタリアに跨るアルプス山岳部の家庭で愛されている郷土料理です。
カクロン(Caquelon)というフォンデュ用の鍋にチーズや白ワイン、レモン、香辛料を加えて作り、とろとろに溶かしたチーズにパンや野菜を絡めて食べる料理です。
もともとは固くなってしまったパンを美味しく食べるため、農家の人々が考案したといわれています。
チーズに加える酒類は白ワインのほかにキルシュやカルヴァドスを用いることもあります。
キルシュはさくらんぼのお酒で、カルヴァドスはりんごのお酒なんです。
そんな果物の風味がチーズに合うというのでしょう。
基本の作り方は以下の通りです:
1.フォンデュ鍋に半分に切ったニンニクをこすりつけて香りをつけ、白ワインを入れてアルコール分をとばします。
2.弱火にして、チーズを少しずつ加えて木ベラでかき混ぜます。
3.木ベラで混ぜながらピザ用チーズが溶けるまで加熱します。
4.弱火のまま水溶き片栗粉を加えて混ぜ合わせ、ひと煮立ちさら火から下ろします。
おすすめの具材については、このあと掲載しておきます。
使用されるチーズの種類
チーズフォンデュに使用するチーズの条件は、熱により溶けやすいものが使用されます。
代表的なチーズを照会いたします。
グリュイエールチーズ
スイス産のチーズで、濃厚なミルキーさとまろやかな口当たりが特徴です。
ナッツに似た風味と爽やかな甘みがあり、チーズフォンデュに使う定番のチーズです。
エメンタールチーズ
グリュイエールチーズと同じくスイス産で、「チーズの王様」とも呼ばれます。
穴の開いた特徴的な見た目と、塩味が控えめでミルクの優しい甘みがあります。
加熱するととろりと伸びるので、チーズフォンデュに最適です。
カマンベールチーズ
表面を白いカビで覆われたクリーミーなチーズで、滑らかな口当たりと上品な味わいがあります。
実は、チーズフォンデュにもおすすめなのです。
ヴァシュラン
牛乳を原料として生産されるウォッシュチーズで、暑さに弱く、傷みやすいために気温の高い夏季は販売されず、9月10日から翌年5月10日まで販売される季節限定のチーズなのです。
「ヴァシュラン・モン・ドール」
「ヴァシュラン・フリブルジョワ」
「ヴァシュラン・ダボンダンス」などがあります。
一般的には、「グリュイエールチーズ」と「エメンタールチーズ」がよく使われるチーズとなります。
おすすめの具材
一般的なチーズフォンデュには野菜やソーセージなどの具は加えないことが多いですがブロッコリーやニンジンなどの温野菜がよく合います。
具材に火が通るわけではないため、生肉や生魚は避け、そのままでも食べられるものを選びましょう。
以下は、おすすめの具材です。
バゲット
フレッシュなバゲットは、チーズフォンデュに最適なパンの具材です。
カリッとした外側と柔らかい中身が、とろけるチーズとよく合います。
温野菜
野菜をチーズにつけて食べるのもおすすめです。
ブロッコリー、カリフラワー、人参、ジャガイモなど、お好みの野菜を選んでください。
ウィンナーソーセージ
ソーセージをチーズにつけて食べると、ミートの旨味とチーズのコクが絶妙に絡み合います。
キノコ
しめじやエリンギなどのキノコも、チーズフォンデュに合う具材です。キノコの風味がチーズと相性抜群です。
りんご
甘酸っぱいりんごをチーズにつけて食べると、さわやかな味わいが楽しめます。
変わり種
餃子やはんぺん、カニカマ、アボカドなどもおすすめです。
「りんご」こそ、変わり種ですね!
とらまんからすると、これは勇気がいります。
そもそも、ここに記載しているのは日本人向けで、本場では固くなったパンで食べていたところ、日本でのアレンジが加わったものであり、スイス人から見れば殆ど変わり種ですね!
これらの具材をフォンデュ鍋に並べて、チーズと絡めて楽しんでください。
家族や友人と一緒に、温かいチーズフォンデュを楽しむ時間は特別なひとときになることでしょう!
チーズフォンデュという食材/発祥について:まとめ
チーズフォンデュは、スイスをはじめとするアルプス地方の伝統的な料理で、チーズを溶かしてパンや野菜をつけて楽しむスタイルです。
グリュイエールチーズやエメンタールチーズなどを使い、温かい鍋で楽しむことが一般的です。
家族や友人と一緒に、心温まるひとときを過ごすことができる料理ですね。
さまざまな具材を組み合わせて、自分好みのチーズフォンデュを楽しんでみてください!
チーズフォンデュは、スイスの風景や伝統を感じる料理であり、その美味しさと歴史は多くの人々に愛されています。
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