エビチリ、その食材の発祥に関わる誕生秘話。人気になった魅力を紐解く

エビチリと聞いて、どんな料理を思い浮かべますか?

エビを揚げて、甘辛いトマトベースのソースで煮込んだ、中華料理の定番メニューですよね。

でも、実はこのエビチリ、日本生まれの料理なんです。

その歴史や魅力について、詳しくご紹介します。

エビチリという食材の発祥は日本の四川料理店

エビチリの元祖は、中華料理人の陳建民(ちん けんみん)さんです。

陳さんは中国の四川省出身で、中国国内を転々としながら1948年に香港で仲間と共同で四川料理店を開きましたが、仲間とのいざこざで店をやめ、1952年(昭和27年)に日本へ渡りました。

日本でも、料理人として渡り歩き人生の契機となったのが「四川飯店」の開業でした。

1958年(昭和33年)に台湾出身の龍智議が新橋田村町(現在の西新橋)に「四川飯店」を開業。[現在は閉店しております]

その時、陳さんは厨房で働いてました。

そして1960年(昭和35年)に陳さんは自身のお店として「四川飯店 六本木店」を開業。[2011年12月27日閉店]

さらに1970年(昭和45年)に2号店の「四川飯店 赤坂店」を開業。

その時に考案したのが、エビチリです。

エビチリは、四川料理の「乾焼蝦仁(カンシャオシャーレン)」という料理をアレンジしたものです。

乾焼蝦仁は、エビを豆板醤で炒めた辛い料理ですが、陳さんは日本人の口に合わせて、ケチャップや卵黄を加えて辛さを和らげました。

また、調理法も簡単にしました。これがエビチリの始まりです。

陳建民さんの息子は「中華の鉄人」

陳建民さんの息子は、陳建一(ちん けんいち)さんといいます。

陳建一さんは、テレビ番組「料理の鉄人」で「中華の鉄人」として活躍しました。

陳建一さんは、父親のエビチリをさらに改良して、今のような形にしました。

陳建一さんは、エビチリを作る際に、生のトマトを刻んで入れたり、ケチャップの量を調整したりするなど、試行錯誤を重ねました。

その結果、エビチリは、甘辛くてコクのあるソースに仕上がりました。

とらまん
とらまん

試行錯誤をした結果赤坂店では生のトマトは使っていないのですが、渋谷店や名古屋店では使用したエビチリだったり、店舗によってアレンジされているようです。

とらまん
とらまん

残念なことに健一さんは2023年3月11日、間質性肺炎で永眠されました。67歳という若さでした。
現在は健一さんの息子にある健太郎さんが第3代として四川飯店赤坂店のオーナーシェフとして継いでおります。

エビチリは日本の大衆に受け入れられた

エビチリは、陳建民さんと陳建一さんの工夫によって、日本の大衆に受け入れられるようになりました。

エビチリは、辛さが抑えられているので、子供からお年寄りまで幅広く食べられます。

また、ケチャップやスープの素などを使っているので、家庭でも簡単に作れます。

さらに、中華料理ブームに乗って、食品会社がエビチリの素やレトルトなどを販売しました。

これによって、エビチリは、日本全国に広まりました。

エビチリという食材の魅力はエビとソースの相性

エビチリとは、エビをトマトケチャップや醤油などで作った甘辛いソースで煮込んだ四川料理です。

この料理の魅力は、エビとソースの相性にあります。

エビは、プリプリとした食感と甘みが特徴的な食材です。

しかし、そのまま食べると味が物足りないこともあります。

そこで、エビチリのソースは、エビの甘みを引き出しながら、辛みや酸味でアクセントをつける役割を果たします。

ソースの味は、店や家庭によって様々ですが、一般的には、トマトケチャップ、醤油、砂糖、酢、酒、ニンニク、生姜、唐辛子などを使って作ります。

ソースの量や濃度も、エビの大きさや好みに合わせて調整できます。

エビチリは、日本で広く親しまれている中華料理の一つですが、その起源は中国の四川省にあります。

四川省は、激辛な料理で有名な地域ですが、エビチリは、四川料理の中でも比較的マイルドな味付けです。

しかし日本人には、辛いものが合わないため、陳建民さんは独立して「四川飯店」を経営する頃には激辛料理全般を日本人向けに改良を加えていきました。

そして完成させた1メニューがエビチリであり、以来日本の中華料理の定番メニューとして定着しました。

エビチリは、ご飯や麺との相性も抜群です。

エビの旨みとソースの風味が、これらのシンプルな炭水化物にマッチします。

また、エビチリには、野菜や卵などを加えることもできます。

野菜は、色や食感のバランスを良くし、栄養価も高めます。

卵は、ソースをとろみ付けたり、エビのコクを増したりする効果があります。

とらまん
とらまん

できれば、卵とキクラゲが入るといいのですが、それは四川省ではなく山東省の「木須肉(ムースーロー)」になってしまいますね!

実は、この木須肉も、とらまんの大好物なんです。

横路それてすみません。

エビチリは、エビとソースの相性が素晴らしい料理です。

エビの甘みとソースの辛みや酸味が、口の中で絶妙なハーモニーを奏でます。

エビチリを食べるときは、ご飯や麺などと一緒に楽しみましょう。

エビチリという食材の作り方は簡単

エビチリの作り方は、簡単です。

市販のエビチリの素やレトルトを使えば、もっと簡単にできます。

でも、手作りのエビチリは、自分の好みに合わせて味や辛さを調整できます。

また、エビのサイズや量も自由に変えられます。

手作りのエビチリの作り方を紹介します。

材料(4人分)

(1)エビ(殻付き) 16尾
(2)塩 小さじ1/2
(3)酒 大さじ1
(4)片栗粉 大さじ1
(5)サラダ油 適量
(6)にんにく 1片
(7)生姜 1片
(8)ネギ 1本
(9)エビチリの素 1袋(100g)
(10)水 100ml
(11)卵黄 1個

作り方

(12)エビ(1)は殻をむいて背わたを取り、塩(2)と酒(3)をふって10分ほどおく。

(13)水気をふき取り、片栗粉(4)をまぶす。

(14)にんにく(6)と生姜(7)はみじん切りにする。ネギ(8)は小口切りにする。

(15)フライパンに油(5)を熱し、エビ(12)を両面に揚げる。

(16)火が通ったら取り出しておく。

(17)同じフライパンににんにくと生姜(14)を入れて炒める。

(18)香りが出たら、エビチリの素(9)と水(10)を加えて煮立たせる。

(19)エビ(15)とネギ(8)を加えて煮る。

(20)卵黄(11)を溶いて回し入れる。

(21)とろみがついたら火を止める。

(22)ご飯や麺と一緒に盛り付ける。

エビチリという食材について:まとめ

エビチリとは、エビを甘辛いトマトベースのソースで煮込んだ中華料理です。

この料理は、日本で生まれたもので、四川料理の「乾焼蝦仁」をアレンジしたものです。

エビチリの元祖は、中華料理人の陳建民さんで、彼は1952年に日本に渡り、1960年に「四川飯店 六本木店」を開業しました。

その後、彼の息子の陳建一さんが「中華の鉄人」として有名になり、エビチリをさらに改良しました。

エビチリは、エビとソースの相性が素晴らしく、辛さが抑えられているので、日本人の口に合います。

また、家庭でも簡単に作れるので、日本全国に広まりました。

エビチリは、ご飯や麺と一緒に食べると、エビの旨みとソースの風味が引き立ちます。

野菜や卵を加えると、色や食感、栄養価も高まります。

エビチリは、日本生まれの中華料理の定番メニューです。

エビの甘みとソースの辛みや酸味が、口の中で絶妙なハーモニーを奏でる料理を、ぜひ一度お試しください。

とらまん
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